茅ヶ崎めぐり③ 河童徳利その1

茅ヶ崎には、“河童徳利”という伝説(民話)があります。

今回は河童徳利のお話をご紹介します。



昔、神奈川県は茅ヶ崎の西久保に、五郎兵衛(ごろべえ)爺さんという馬方が住んでいました。五郎兵衛さんはお酒が大好きで、徳利と馬をとても大切にかわいがっていました。

ある夏の夕方、仕事が終わって馬の体を川で洗っていると、馬の尻に河童がかじりつきました。川に引きずり込まれそうになっている馬の様子に驚いた五郎兵衛さんは、大声で村人たちを呼び集めました。

河童は村人たちからボコボコにやられ、木に縛りつけられました。河童は「自分には妻と子供がいるから助けてほしい」と、必死に命乞いをしました。五郎兵衛さんは優しい人だったので、河童の縄をほどき、川に帰してあげました。

その夜、五郎兵衛さんが家で寝ていると、河童が徳利を持って現れました。この徳利は、飲んでも飲んでも酒が無くならない不思議な徳利で、徳利の底を3回たたくまでエンドレスで酒が出続けるというお宝でした。

五郎兵衛さんは大喜びして、仕事にも行かず朝から晩まで酒を飲んで過ごすようになりました。あんなに大切だった馬にエサをあげることもせず、すっかり怠け者になってしまいました。ある日、家の前で酔っぱらって寝ていると、すっかりやせ細ってしまった馬の様子に気が付きました。五郎兵衛さんは心から反省し、徳利の底を3回たたいてもう酒が出てこないように封印しました。

酒で危うく身も家も滅ぼしかけていた五郎兵衛さんでしたが、元の働き者に戻りました。この徳利は、西久保のある家に今でも残っているそうです。(まんが日本昔話より 引用)


この河童徳利のゆかりのあるお寺が茅ヶ崎にあるそうです。

次回はお寺をご紹介します。